イアンとの出会い その2

2014年、ヘルシンキに舞い戻り、「アルカディア・インターナショナル書店」を再び訪れることができました。

2年ぶりに訪れた私を見て、

「あれ? 前に来ましたよね?」

「はい!!!!!」

嬉しいことに、覚えていてくれたのです(涙)。

そしてお互いに改めて自己紹介。イアンです。ケイコです。

またすっかり長居をしてしまい、滞在中に2回も訪れることとなりました。自己紹介や話をするたびに、だんだんと親しくなり、するとふいにイアンが、

「いや…実は…趣味で絵を描いているんだけど、あまり人に見せていなくて」

「え、そうなの? 見たい見たい」

「一応ブログもあるんだけど…あまり人に教えてなくて」

「え、見せて見せて」

「じゃあ…」

と、見せてくれたブログに載っていた彼の絵が、あまりにも素敵だったので、

「すごくカッコいいよ!ちょっと暗くて、ちょっとバイオレンスな感じもするけど、見ている人を突き放すわけじゃなく、どこか誰でも共感できる何かを感じるというか…」

「ほんと?」

「そうだよ、もっとみんなに見せたほうがいいと思う」

と、そんなやりとりをして、

アルカディアを後にしたのでした(写真右は奥さんのリーザさん)。

それから1年後、嬉しい知らせが。

「自分のお店で、秋に個展をすることにしたよ」


私も観に行きたかったのですが、偶然にも私自身の初個展も同じ年の秋にあり(!)諸処の都合で行くことが叶わず残念無念。(でもこの偶然もまたイアンがとても喜んでくれました…)

そしてこのイアンの個展が本当に大盛況で、そのあとまたすぐ別の場所でも個展を開くことになり、どんどん人に観てもらえる機会がふえるたびに、イアンの作風もすこしずつ変わっていったような気がします。薄暗いトーンで塗りつぶすのではなく、空間にポンと描き、自由な発想でモチーフを解釈した絵がよく出てくるようになりました(Facebookをフォローしていたので)。

(つづく)

The Home of a Modern Man

ヘルシンキ在住アーティスト、イアン・ブルジョーによる絵画展。自由で大胆、そして時に物憂げで、時に意味深で、観る者の誰の心の中にもある「説明のつかない感情」に触れてくるかのような作品の数々。彼が経営する「アルカディア・インターナショナル書店」のポップアップも。 7月1日(土)〜7月15日(土) 平日 14:00–21:00(水曜休) 土日祝 12:00–21:00

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