イアンとの出会い

こんにちは、今回、「The Home of a Modern Man イアン・ブルジョー絵画展」をオーガナイズしています、GINGRICHの村手(むらて)です。普段はグラフィックデザイナーをしています。よろしくお願いいたします。

そもそもどうして、フィンランドに住むアーティストの展示をここ浅草で開催することになったのか、そのお話を簡単に。

2012年、フィンランドを旅行で訪れた際に立ち寄ったのが、現地に留学経験のある友人からのおすすめスポットだった「アルカディア・インターナショナル書店」でした。お店に入ると、デスクに座っていた男性がふっと顔を上げ、こちらに微笑みかけてこう言ってくれました。

「こんにちは、このお店は初めてですね?」

「はい」

「じゃあ、まず地下へ行ってみてください。「冒険」を、楽しんで(にっこり)。」

冒険、と言われて、いったいぜんたい、と思いながら地下への階段を降りると、そこは本屋さんなのに本屋さんでないような、面白い空間が広がっていました。


大きなビリヤード台のある広いスペース、その先にはレンガの壁が特徴的ながらんとした部屋、さらにその先には所狭しと本が置かれた薄暗い部屋(テーブルの上の本が詰まった箱をよく見たら、「free」と書いてあった…)、ここで終わりかと思ったら、その先にも小さな出入り口があるのを発見、入ってみると、小さなテーブルの上にワインのボトルと薄焼きの固いパン、水の入ったジャグとグラスが。「お腹がすいていたら、パンをどうぞ。喉がかわいていたら、お水かワインをどうぞ」との書き置きも。

部屋それぞれにまるで世界が違って、ひとつひとつに驚き、その果てで思いがけずワインにもありつくという、まさに「冒険」のような体験でした。これが本屋さんだなんて、最高すぎる…。

一階に(おそらく)赤ら顔で戻ってきた私にまた先ほどの男性が。

「冒険、楽しかったですか?」

「はい!!!!!」

このお店をすっかり気に入ってしまった私は、そのあと本を物色し、何冊か購入し、お店を後にしました。また、いつか、必ず来ようと胸に誓い。

(つづく)

The Home of a Modern Man

ヘルシンキ在住アーティスト、イアン・ブルジョーによる絵画展。自由で大胆、そして時に物憂げで、時に意味深で、観る者の誰の心の中にもある「説明のつかない感情」に触れてくるかのような作品の数々。彼が経営する「アルカディア・インターナショナル書店」のポップアップも。 7月1日(土)〜7月15日(土) 平日 14:00–21:00(水曜休) 土日祝 12:00–21:00

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