展示する絵の最終セレクト

この日も朝からアルカディア書店の地下にこもって、いよいよ実際に東京で展示する絵を決めなければなりません。決めたらそのまま東京まで持ち帰ります!
前回の打ち合わせで候補は絞っていたものの、多めにセレクトしていたため決め切れずにいました。
展示する空間も考えて、候補の作品をいくつかのテーマに沿ってグルーピングしていくことにしました。このやり方で選んでいくと、そこにどうストーリーを作っていくか、組み合わせのバランスはどうか、などなど、感覚を試されます…。
ちょっと休憩して外の空気を吸いに出ました。今日は冷たい雨が降っています。歩いてすぐのところにあるSOKOS(デパート)まで行って折り返しの短い散歩です。
SOKOSの角からは、右に中央郵便局、左に現代美術館が見えます。
アルカディアに戻ってくると、来店するのは初めてだというお客さんたちがいました。楽しそうに本を選んでいる様子を見ていると、なんだかこちらも嬉しくなってきます。
地下に戻ると、リーザが朝ごはんを差し入れしてくれました! コーヒーはイアンが淹れてくれました。たくさんのイチゴと、ラズベリーのヨーグルト、そしてカレヤラン・ピーラッカ。カレヤラン・ピーラッカ(Karjalanpiirakka)は、ライ麦の素朴な生地に、バターとミルクと卵たっぷりのおかゆをフィリングにした手のひらサイズのパイです。どこのスーパーやパン屋さんでもよく見かけるので、おそらく日本におけるあんぱんのような立ち位置なんだと思います。そんなフィンランドがたっぷり乗ったトレイは、食べる前から元気をもらえました!

さて、作業再開です。
実際の原画と照らし合わせながらも、グルーピングの検討は縮小してプリントアウトしたものを使います。組み合わせていくと、一点でもあった存在感が、相乗効果でさらに増していきます。新しい物語が生まれていくのが面白くなってきます。
ちなみに作品の裏には一点ごとにタイトルと制作年月日、描かれた場所が書かれています。

そしてなんとかセレクトを終えることができました…!これから慌ただしく梱包と荷造りです!
梱包している間に、リーザがセレクトした作品のタイトルリストを手早く作ってくれました。ありがとう!!
そしていつも作業している私たちのかたわらにいてくれた看板犬のローラ。穏やかに見守ってくれて、ありがとうね。
おかげさまでこの数日間、本当に充実した準備ができました。イアン、リーザ、改めてありがとうございました!! イアンとはまた今月末に東京で会うことになります。リーザは出産(この日はなんと予定日の4日前でした…。そんな時に本当にありがとう!!)のため今回は来日を見送ったのですが、きっとまた、近いうちに。
手を振りながら、本当にまた近いうちに二人に会うことになりそう、またここに来ることになりそう、という思いでいっぱいになりました。
そして…あっという間に帰国便に乗り込みます。
なんと、隣の席がまさかの空席(周りを見渡してもここだけが空席という奇跡)、おかげでイアンの原画を丁重に運ぶことができました…!

というわけで、あっという間のヘルシンキ滞在でしたが、充実した打ち合わせ、他のギャラリーの見学、本のセレクト、絵のセレクト、予定していたことはもちろん、現地に来なければ出来なかったこともしっかり出来て、本当に濃密な数日間でした。この、現地の空気感を、イアンの作品やアルカディアの本とともに、東京での展示にお越しくださる皆様に少しでも多く伝えられるよう、帰国後も準備を頑張っていきます!

The Home of a Modern Man

ヘルシンキ在住アーティスト、イアン・ブルジョーによる絵画展。自由で大胆、そして時に物憂げで、時に意味深で、観る者の誰の心の中にもある「説明のつかない感情」に触れてくるかのような作品の数々。彼が経営する「アルカディア・インターナショナル書店」のポップアップも。 7月1日(土)〜7月15日(土) 平日 14:00–21:00(水曜休) 土日祝 12:00–21:00

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